韓国ホラー映画『トンソン荘事件の記録』は、観終わったあとに「これ、本当にあった事件なの?」と検索したくなる作品です。
1992年、釜山の旅館「トンソン荘」で起きた猟奇殺人事件。その一部始終を記録したビデオに“映ってはいけないもの”が映り込んでいた――という設定で始まる本作は、取材映像や証言、粗いビデオ素材を組み合わせたフェイクドキュメンタリー形式のホラー映画です。映画.comでも、猟奇殺人事件を記録したビデオに映った“あるもの”を追う取材班の姿を、フェイクドキュメンタリー形式で描いた作品として紹介されています。
この記事では、『トンソン荘事件の記録』が実話なのか、家族や恋人と観ると気まずいシーンはあるのか、そしてラストやエンドロール後の意味をネタバレありで整理します。
- この記事の結論
- 『トンソン荘事件の記録』の作品基本情報
- 『トンソン荘事件の記録』は実話?
- なぜ実話に見えるのか?
- 元ネタは兄弟福祉院事件?
- 気まずいシーンはある?家族や恋人と観ても大丈夫?
- 視聴前の気まずさ・不快度チェック
- 家族と観ると気まずい?
- 恋人と観ると気まずい?
- ネタバレ時系列整理|1987年・1992年・2019年の事件
- 1987年:アミ洞の一家事件
- 1992年:トンソン荘殺人事件
- 2019年:取材班がビデオの謎を追う
- 犯人は誰?実行犯・ヨンテ・ギョンホを整理
- ラストの意味を考察
- エンドロール後のシーンは何を意味する?
- ビデオは証拠なのか、呪いなのか?
- 『呪詛』『女神の継承』が好きなら観るべき?
- どこで配信されている?
- よくある質問
- まとめ|『トンソン荘事件の記録』は“実話ではないのに実話のように怖い”映画
この記事の結論
| 疑問 | 結論 |
|---|---|
| 実話? | 実話ではなく、実話風に作られたフェイクドキュメンタリー映画 |
| 元ネタはある? | 公式に特定の実在事件が元ネタと明言された情報は確認できない |
| 気まずいシーンは? | 性的描写より、暴力・動物描写・不快感に注意 |
| 家族と観ても大丈夫? | 性的な気まずさは低いが、後味が重く家族向きではない |
| 考察が必要? | 1987年、1992年、2019年の時系列を整理しないと分かりにくい |
| エンドロール後は観るべき? | 必ず観るべき。物語の意味が大きく変わる重要シーンがある |

『トンソン荘事件の記録』の作品基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 邦題 | トンソン荘事件の記録 |
| 原題 | 마루이 비디오 |
| 英題 | Marui Video |
| 製作国 | 韓国 |
| 日本公開日 | 2023年10月27日 |
| 上映時間 | 87分 |
| ジャンル | ホラー、ミステリー |
| 監督 | ユン・ジュンヒョン |
| 出演 | ソ・ヒョヌ、チョ・ミンギョン |
| 配給 | アルバトロス・フィルム |
| 映倫区分 | G |
日本公開日、上映時間、配給、原題または英題については映画.comでも確認できます。 Filmarksでは、原題「마루이 비디오/Marui Video」、上映時間87分、ジャンルがホラー・ミステリー、出演者としてソ・ヒョヌ、チョ・ミンギョンが掲載されています。
『トンソン荘事件の記録』は実話?
結論から言うと、『トンソン荘事件の記録』は実話ではありません。
本作は、実際の記録映像のように見せる手法で作られたフェイクドキュメンタリー/モキュメンタリー作品です。U-NEXTでも、殺人事件の瞬間が収められたビデオに映った“あるもの”を取材する過程を、フェイクドキュメンタリー風の演出で描いた作品として紹介されています。
ただし、ただの作り話に見えないのが本作の怖さです。
「検察庁に封印されたビデオ」「1992年の釜山の旅館」「記録映画として残された素材」「映像に映り込む正体不明の存在」といった具体的な設定が重ねられているため、観ている側は次第に「本当にあった事件なのでは?」と錯覚してしまいます。

なぜ実話に見えるのか?
『トンソン荘事件の記録』が実話のように見える理由は、大きく4つあります。
1つ目は、映像の質感です。きれいに整った映画映像ではなく、取材映像、古いビデオ、関係者の証言、現場検証のような素材が混ざるため、本物のドキュメンタリーを観ているような錯覚が生まれます。
2つ目は、事件の設定が具体的すぎることです。1992年、釜山、旅館、アルバイト従業員、隠しカメラ、検察に封印された映像という情報が細かく提示されるため、観客は「現実の事件資料を見ている」ように感じます。
3つ目は、アジアホラー特有の儀式性です。降霊、祈祷、巫俗的な描写が入ることで、単なる殺人事件ではなく、“土地や血縁に染みついた呪い”のように見えてきます。
4つ目は、公式宣伝自体も虚実の境界を利用していることです。映画チャンネルの記事でも、本作は「フィクションなのか、それとも実在の出来事なのか」と打ち出され、虚実が入り交じったフェイクドキュメンタリー手法がホラーと相性が良いと紹介されています。
元ネタは兄弟福祉院事件?
ここは慎重に整理する必要があります。
『トンソン荘事件の記録』について、「兄弟福祉院事件が公式の元ネタである」と断定できる一次情報は確認できません。 そのため、記事やレビューで扱う場合も「元ネタ」と言い切るのではなく、背景として連想される可能性がある実在事件という表現にとどめるのが安全です。
兄弟福祉院事件は、韓国・釜山で1970年代から1980年代にかけて大きな問題となった実在の人権侵害事件です。作品内にも釜山、1987年、失われた家族、社会の闇といった要素があるため、鑑賞者の一部がこの事件を連想する可能性はあります。
ただし、映画そのものは実在事件の再現ではありません。
本作の怖さは、実話をそのまま映画化したことではなく、実在しそうな社会背景や土地の記憶を利用して、架空の事件を本物の記録のように見せている点にあります。
また、本作のフェイクドキュメンタリー的な作り方を考えるうえでは、ユン・ジュンヒョン監督の前作『목두기 비디오(Mokdugi Video)』とのつながりを押さえておく方が確実です。『トンソン荘事件の記録』は、実在事件を直接再現した作品というより、“本物の記録映像に見える恐怖”を発展させた作品として見るのが自然です。

気まずいシーンはある?家族や恋人と観ても大丈夫?
『トンソン荘事件の記録』には、直接的な性的描写や露骨なベッドシーンはほとんどありません。
そのため、「親と観て性的な意味で気まずくなるか?」という観点では、気まずさは低めです。
ただし、別の意味でかなり観づらい作品です。
特に注意すべきなのは、暴力描写、盗撮設定、動物に関する不快描写、救いのない後味です。鑑賞レビューなどでも、猫や鶏に関する描写への注意が言及されています。
視聴前の気まずさ・不快度チェック
| 項目 | 注意度 | 内容 |
|---|---|---|
| 性的描写 | ★☆☆☆☆ | 直接的な性描写は少ない |
| 盗撮・不倫設定 | ★★★☆☆ | 隠しカメラで恋人を撮影する設定が不快 |
| グロ描写 | ★★★☆☆ | 直接的な残酷描写より、映像の質感と血の不快感が強い |
| 暴力描写 | ★★★★☆ | 殺人事件、襲撃、狂気的な行動がある |
| 動物描写 | ★★★★★ | 猫・鶏に関する描写が苦手な人は要注意 |
| ジャンプスケア | ★★★☆☆ | 後半にかけて急な恐怖演出が増える |
| 後味の悪さ | ★★★★★ | 救いよりも呪いの連鎖が残るタイプ |
| 家族視聴 | ★★★★☆ | 性的気まずさは低いが、内容が重く不向き |
| 恋人視聴 | ★★★☆☆ | ホラー好き同士なら可。動物描写が苦手なら避けたい |
家族と観ると気まずい?
家族と観る場合、性的な気まずさよりも、沈黙が重くなるタイプの気まずさがあります。
作品全体が暗く、猟奇事件、盗撮、呪い、家族崩壊、動物の死などを扱うため、食事中やリビングで気軽に観る映画ではありません。
特に親世代と観る場合、「なぜこんな映画を選んだのか」という空気になる可能性があります。ホラー耐性がある家族なら問題ありませんが、万人向けではありません。
恋人と観ると気まずい?
恋人と観る場合は、相手のホラー耐性によります。
『呪詛』『女神の継承』『コンジアム』のようなフェイクドキュメンタリー系ホラーが好きな人なら楽しめる可能性があります。実際に本作は、『呪詛』『女神の継承』に続くフェイクドキュメンタリー系アジアホラーとして紹介されています。
ただし、恋人が動物描写や胸糞系ホラーを苦手としているなら避けた方が無難です。デート向きというより、観終わった後に考察を語り合うタイプの作品です。
ここからネタバレあり
ここから先は、『トンソン荘事件の記録』の結末、犯人、ラスト、エンドロール後の意味に触れます。未視聴の方は注意してください。

ネタバレ時系列整理|1987年・1992年・2019年の事件
『トンソン荘事件の記録』が分かりにくい最大の理由は、事件が一本の時間軸ではなく、複数の年代に分かれて語られることです。
整理すると、本作の物語は大きく3つの事件で構成されています。
| 年代 | 事件 | 内容 |
|---|---|---|
| 1987年 | アミ洞の一家事件 | すべての呪いの始まりとなる家族の惨劇 |
| 1992年 | トンソン荘殺人事件 | 旅館で恋人が殺害され、ビデオに異様なものが映る |
| 2019年 | 取材班の調査 | 封印されたビデオを追った取材班が呪いに巻き込まれる |
1987年:アミ洞の一家事件
物語の根本にあるのが、1987年に起きた一家の事件です。
この事件では、家族の中で何が起きたのか、誰が本当に悪かったのかが明確に説明されきっていません。その曖昧さこそが、本作の不気味さにつながっています。
重要なのは、ここで亡くなった少年ギョンホの存在です。
彼は単なる被害者なのか、それとも後に呪いの中心となる存在なのか。作品はその両方に見えるように作られています。
1992年:トンソン荘殺人事件
1992年、釜山の旅館「トンソン荘」で、アルバイトの男が恋人を部屋に連れ込み、隠しカメラで撮影していた部屋で殺害します。
この事件の映像はあまりに残虐だったため、検察によって封印されたとされます。映画.comのあらすじでも、犯行時の映像は残虐性から検察庁によって封印され、部屋の鏡に正体不明の何かが映り込んでいると話題になっていたと説明されています。
この「鏡に映った何か」こそが、本作の考察の入口です。
単なる幽霊の映り込みではなく、1987年の事件と1992年の事件を結びつける“呪いの痕跡”として機能しています。
2019年:取材班がビデオの謎を追う
2019年、取材班は封印されたビデオの真相を追い始めます。
最初は事件の記録を追うだけだったはずが、調査が進むにつれて、取材班自身が記録される側になっていきます。
ここが本作の怖いところです。
『トンソン荘事件の記録』では、ビデオは単なる証拠ではありません。
観る者、調べる者、触れる者を巻き込む呪いの媒体として描かれています。

犯人は誰?実行犯・ヨンテ・ギョンホを整理
本作の「犯人」は、どのレベルで見るかによって答えが変わります。
1992年事件の実行犯:旅館のアルバイトの男
トンソン荘で恋人を殺害した直接の実行犯は、公式あらすじ上では「旅館のアルバイトの男」とされています。
ただし、彼は単なる殺人犯としてだけ描かれているわけではありません。
彼自身も、何かに命じられた、あるいは操られていたように見える余地があります。
物語全体の元凶として読める人物:ヨンテ
ヨンテは、1987年の事件と深く関係する人物です。
彼の行動や過去の罪が、ギョンホの怨念を生み、後の事件につながっていったと考えると、物語全体の構造が見えやすくなります。
つまり、ヨンテは1992年事件の実行犯ではありませんが、呪いの原因を作った人物として読むことができます。
呪いの中心:ギョンホ
ギョンホは、被害者であると同時に、後の事件を引き起こす霊的な中心でもあります。
彼が望んでいたのは復讐なのか、自分の存在を知らしめることなのか、それとも家族を壊した者への怒りを映像として残すことだったのか。
本作はそこをはっきり説明しません。
しかし、ビデオに映り込む存在、ホンに起きる異変、エンドロール後の映像をつなげると、ギョンホは単なる幽霊ではなく、記録を通じて広がる呪いそのものとして描かれているように見えます。
ラストの意味を考察
ラストで描かれるのは、取材班が真相にたどり着いた達成感ではありません。
むしろ、真相に近づいたことで、彼ら自身が呪いの一部になってしまう絶望です。
ホラー映画では「真実を知れば救われる」という構造がよくあります。しかし『トンソン荘事件の記録』では逆です。
真実を調べるほど、記録を見るほど、過去に近づくほど、呪いから逃れられなくなります。
つまり本作のラストは、事件の解決ではなく、記録による呪いの再生産を描いています。

エンドロール後のシーンは何を意味する?
『トンソン荘事件の記録』で最も重要なのは、エンドロール後のシーンです。
ここを観るかどうかで、物語の意味が大きく変わります。
エンドロール後に示されるのは、ホンがビデオの原本に接触していたという事実です。
この場面が意味するのは、ホンが偶然呪いに巻き込まれたのではなく、すでにビデオによって選ばれていた、あるいは取り込まれていたということです。
つまり、本編で描かれた取材班の調査は、真相解明のプロセスではなく、ビデオが新たな犠牲者を作るためのプロセスだったと考えられます。
ビデオは証拠なのか、呪いなのか?
本作におけるビデオは、最初は「事件の証拠」として登場します。
しかし、物語が進むにつれて、ビデオはただの記録媒体ではなくなります。
- 犯行を記録する
- 霊を映す
- 観た人間を巻き込む
- 新たな事件を生む
- その事件もまた映像として残る
この流れを見ると、ビデオは証拠であると同時に、呪いを保存し、拡散する装置でもあります。
だからこそ、タイトルにある「記録」は重要です。
『トンソン荘事件の記録』とは、過去の事件を記録した映画ではありません。
記録することそのものが呪いを完成させる映画なのです。
『呪詛』『女神の継承』が好きなら観るべき?
『トンソン荘事件の記録』は、『呪詛』や『女神の継承』のようなフェイクドキュメンタリー系アジアホラーが好きな人にはかなり刺さる作品です。
FansVoiceでも、近年のアジアホラーでは『呪詛』や『女神の継承』など、フェイクドキュメンタリーが原動力になっている流れの中で本作が紹介されています。
ただし、分かりやすい恐怖や派手な怪物を期待すると物足りないかもしれません。
本作の怖さは、
「何が映っているのか分からない」
「どこから呪いが始まっていたのか分からない」
「観ている自分もその記録に触れてしまった気がする」
という、じわじわした不安にあります。
どこで配信されている?
2026年5月時点で、U-NEXTでは『トンソン荘事件の記録』が見放題作品として掲載されています。U-NEXTの作品ページにも、2026年5月現在の情報として、2023年・韓国・見放題、上映時間87分と記載されています。
また、Filmarksの配信情報では、Prime VideoやU-NEXTなどへのリンクが掲載されており、2026年4月更新の配信状況として案内されています。
配信状況は変更されるため、視聴前には各サービスの最新情報を確認してください。
よくある質問
『トンソン荘事件の記録』は実話ですか?
いいえ。実話ではなく、実話のように作られたフェイクドキュメンタリー映画です。
元ネタとなった事件はありますか?
公式に特定の実在事件が元ネタと明言された情報は確認できません。ただし、韓国社会の実在の事件や土地の歴史を連想させる要素はあります。また、本作のフェイクドキュメンタリー的な手法を考えるうえでは、ユン・ジュンヒョン監督の前作『목두기 비디오(Mokdugi Video)』とのつながりも押さえておきたいポイントです。
気まずいシーンはありますか?
性的な気まずさは低めですが、盗撮設定、暴力、動物描写、後味の悪さによる気まずさがあります。
家族と観ても大丈夫ですか?
性描写は少ないですが、内容が暗く不快描写もあるため、家族鑑賞にはあまり向きません。
恋人と観ても大丈夫ですか?
ホラー好き同士なら楽しめます。ただし、動物描写や胸糞系が苦手な相手とは避けた方が無難です。
グロいですか?
過度なスプラッター映画ほどではありませんが、血や暴力、不穏な儀式の描写があり、生理的な不快感は強めです。
猫や動物の描写はありますか?
あります。猫や鶏に関する描写が苦手な人は注意してください。鑑賞レビューなどでもこの点への注意喚起が見られます。
ラストの意味は?
取材班が真相を暴いたのではなく、呪いの記録に取り込まれてしまったことを示すラストです。
エンドロール後にシーンはありますか?
あります。ホンとビデオ原本に関わる重要な場面なので、最後まで観ることをおすすめします。
犯人は誰ですか?
1992年事件の実行犯は、公式あらすじ上では旅館のアルバイトの男とされています。ただし、物語全体の元凶としてはヨンテ、呪いの中心としてはギョンホが重要です。

まとめ|『トンソン荘事件の記録』は“実話ではないのに実話のように怖い”映画
『トンソン荘事件の記録』は、実在の事件をそのまま映画化した作品ではありません。
しかし、フェイクドキュメンタリー形式、釜山という具体的な舞台、検察に封印された映像という設定、古いビデオの質感、韓国的な儀式描写が重なることで、まるで本当に存在した事件の記録を見ているような感覚になります。
気まずいシーンについては、性的描写よりも動物描写や暴力、不快な後味に注意が必要です。
そして考察面では、1987年、1992年、2019年の事件をつなげて見ることで、ビデオが単なる証拠ではなく、呪いを保存し拡散する媒体だったことが見えてきます。
『トンソン荘事件の記録』の本当の怖さは、幽霊が映ることではありません。
記録を見ること、記録すること、そして記録が残り続けること自体が、呪いの一部になっている。
そこに気づいたとき、この映画の後味の悪さは一気に深くなります。
※本記事の情報は執筆時点の公式情報・配信情報・作品内容をもとにしています。配信状況や掲載情報は変更される場合があります。


